
中国からEV輸入「BYDジャパン」社長に聞く(上)
「比亜迪(BYD)のブランド力は日本ではほとんどありません。とはいえ、電気自動車(EV)の価値を日本でも正しく評価していただく必要があります」。中国のEVメーカーBYDの日本法人「BYDジャパン」の劉学亮社長(50)はこう話す。日本で2023年1月からEVの乗用車を発売する同社の劉社長に日本進出の狙いと「安売りはしない」理由を聞いた。
――BYDは1995年、中国・深圳で電池メーカーとして創業。03年に中国国営の自動車メーカーを買収して自動車産業に進出し、09年からEVを生産していると聞きます。中国の自動車メーカーが日本に本格的に進出するのは初めてです。なぜ今、日本なのですか。
◆BYDはEVが注目されていますが、元々は電池とITのメーカーで、携帯電話やノートパソコンといった電子機器の電池や部品製造から始まりました。現在は多岐にわたる事業を行っていますが、基本は電池を中心としたビジネスです。
日本では15年から電気バスや電気フォークリフトを法人向けに販売しています。そこで今回は、日本の消費者が多くの選択肢から乗用車を選べるよう、私たちの最新のEVを持ってこようと考えました。
エンジン車の生産は終了
――22年1~6月の世界のEVの販売台数は米テスラが56万台で首位。BYDは32万台で世界2位と聞きます。現在はEVとプラグインハイブリッド車(PHV)を生産しているそうですが、ガソリンエンジン車の生産はいつやめたのですか。
◆EVの世界販売の数字はあまり気にしていませんが、中国ではうちがトップです。エンジン車の生産は今年の3月にやめました。30年までにエンジン車の生産をやめると宣言した自動車メーカーはたくさんありますが、実際に生産をやめたのは…
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