
中国からEV輸入「BYDジャパン」社長に聞く(下)
「電気自動車(EV)中心の社会が実現するまで、ライバルの存在は考えていません。米テスラは仲間だと思っています」。中国のEVメーカー「比亜迪(BYD)」の日本法人「BYDジャパン」の劉学亮社長(50)はこう話す。どういうことなのか。2023年1月から日本でEVの乗用車を発売する劉社長にBYDのライバルについて聞いた。
――世界的にBYDのライバルはテスラではないかと思いますが、いかがでしょうか。
◆これはよく聞かれます。テスラはいろんなイノベーションを興せる会社であり、テスラのお陰で世界がEVに注目したのも事実です。我々は大いに勉強するところがあります。
BYDは電池から始めた会社です。世界のEVメーカーの中で電池から始めた会社はBYDだけです。私たちの電池は一朝一夕にできた製品ではありません。二十数年間、研究開発を重ねた結果です。クギを刺しても爆発しないなど、世界で最も安全性の高い電池と自負しています。
――BYDがテスラより優れているところは、どんなところでしょうか。
◆電池だけでなく、モーター、コントローラーといった主要部品を自社で開発し、生産していることが私たちの強みです。電池はもちろん重要ですが、電池だけでEVができるわけではありません。電池メーカーとして、電池の進化に合わせ、モーターなど主要部品にも必要な工夫を凝らすことができます。
「EV社会の実現」を優先
――世界にライバルはあるのでしょうか。
◆ライバルはあまり考えていません。EVを中心とする社会や産業がまだ出来上がっていないからです。私たちはEVが社会に根付き、産業として成り立ってから、正しく競争していくのが…
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