人生に必要な「おカネの設計」

企業型の確定拠出年金「掛け金上乗せ」で増やす方法は

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
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 会社員のA郎さん(38)は、会社の企業型確定拠出年金(DC)に加入していますが、企業型DCの規約上、掛け金が少ないことが不満でした。企業型DCの加入者はこれまで個人型DC(iDeCo、イデコ)の加入が事実上制限されていましたが、2022年10月から企業型DCとイデコの併用が原則可能になるため、A郎さんはその活用が気になっています。「イデコを併用すると掛け金を増やすことができますか」と相談に訪れました。

10月から「原則併用可能」に

 DCは、老後資金づくりのための私的年金で、税制優遇があるお得な制度です。自己の責任で運用し、運用成果によって将来受け取れる給付額が変動します。働き方や勤務先により加入できるタイプが決まり、会社が従業員のために用意する企業型DCと、個人が任意で加入する個人型のイデコがあります。

 A郎さんの場合、企業型DCで会社が負担する事業主掛け金は月1万円です。企業型DCには、加入者本人が掛け金を追加拠出できる「マッチング拠出」制度があります。A郎さんはこの制度を利用し、その上限である月1万円を追加拠出していますが、それでも合計の掛け金は月2万円で、老後資金への備えとしては心もとないと感じています。

 自分で掛け金を負担するなら、マッチング拠出ではなく、イデコに加入して掛け金を拠出するという方法があります。

 従来、企業型DCとイデコの併用は、会社が規約で認めている場合などに限られ、事実上困難でしたが、22年10月からは、原則併用が可能になります。

 併用には、掛け金の上限が決まっているほかに、掛け金が各月拠出であることや、企業型DCのマッチング拠出を利用していないことが条件となります。つまり、マッチング拠出とイデコでは、どちらか一方を選択することになります。

会社掛け金2万円以下なら「イデコ併用」を

 A郎さんは掛け金を増やしたいと考えており、このままマッチング拠出を続けるのと、新たにイデコに加入するのとでは「どちらが有利なのかを知りたい」と言います。

 それぞれについて見ていきましょう。

 マッチング拠出の場合、加入者の掛け金は、事…

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岩城みずほ

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、オフィスべネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、中立的な立場で顧客の利益を最大限にするコンサルティングを実践し、講演や執筆活動も行っている。著書に「人生にお金はいくら必要か」(共著、東洋経済新報社)、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)などがある。