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国税庁「サケビバ!」 ネット炎上の背景とは

植田憲尚・西部本社経済部
インターネットで炎上した「サケビバ!」のウェブ画面
インターネットで炎上した「サケビバ!」のウェブ画面

 国税庁が若者を対象に日本産酒類振興のためのコンテスト「サケビバ!」の募集を始めたところ、インターネットで炎上した。「健康に悪いアルコールを国主導で若者に薦めるなんて」「そんなに税金(酒税)が欲しいのか」と多くの批判が寄せられたが、そもそもなぜこのコンテストは企画されたのか。酒好きで主に日本酒の取材を続けてきた私は、改めて業界が置かれた厳しい現実を思い知った。

 アルコールの消費は減っている。国税庁によると、1人あたりの酒類消費数量は、記録が残る1989年度以降、92年度の101・8リットルをピークに、2020年度には75リットルまで減少した。ライフスタイルの変化に加え、新型コロナウイルス禍で飲み会の機会が失われたことなどが背景にある。

苦境の酒類業界 打開策…

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西部本社経済部

日本酒好きで農業など食の分野に関心あり。高知支局時代、全国きき酒選手権大会に県代表(代表枠2人)として2年連続出場。代表チームで運良く連覇したことに味を占め、次の機会を狙って夜な夜な飲み比べている。