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脱原発の小泉純一郎氏が説く「エネルギー構造改革」

川口雅浩・経済プレミア編集長
毎日新聞のインタビューに答える小泉純一郎元首相=東京都新宿区で2022年9月22日、内藤絵美撮影
毎日新聞のインタビューに答える小泉純一郎元首相=東京都新宿区で2022年9月22日、内藤絵美撮影

小泉元首相に聞く原発政策見直し(下)

 「日本は自然エネルギー大国になれる」。脱原発を主張する小泉純一郎元首相(80)は毎日新聞のインタビューで日本はエネルギーの構造改革が必要だと主張した。岸田文雄首相が検討を指示した原発の稼働期間延長については「やるべきではない」と断言した。小泉元首相の描く「脱原発」の道筋とは。

 ――もし小泉さんがいま首相なら、原発も「聖域なき構造改革」をしますか。

 ◆当然やる。脱原発を決断する。でも、私の時代は終わってしまった。勉強が足りなかった。実際に事故が起きないと、脱原発の考え方は、なかなか難しい。(経済産業省や電力会社は)原発事故は起こらないと言ってたんだから。

 でも、事故が起きた以上、私は勉強した。そうしたら、安全、コストが安い、クリーンだと、原発推進派が主張する大義名分は全部ウソだと分かったんだ。

有識者で脱原発の政策立案

 ――今の日本のエネルギー政策を見直すとすれば、どのようにしますか。

 ◆日本は自然エネルギーに恵まれているんだよ。太陽光、風力、水力。それから海に囲まれているから波力、潮力。さらに地熱もある。自然界のエネルギーを生活に役立てることができる。日本は自然エネルギーの資源大国になれるんだよ。その政策を進め、原発をゼロにする。

 原発でなく、自然エネルギーをどのように活用していくか。有識者を10人でも20人でも集めて審議会を作り、知恵を出してもらう。審議会で議論してもらい…

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経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。