
西九州新幹線が9月23日、武雄温泉(佐賀県)-長崎間で部分開業した。九州新幹線とは切り離された日本で一番短い新幹線(66キロ)で今後の利用動向が気になる。だが、工夫の余地はある。長崎空港との連携強化や、西九州新幹線を「観光コンテンツ」として活用することで、沿線活性化の可能性が見えてくる。
長崎空港から新大村駅へは10分
筆者は、開業の1週間前と、開業翌日の9月24日に長崎に行き、新幹線各駅を調査した。西九州新幹線への期待の一つは、長崎空港へのアクセス駅となる新大村駅の有効活用だ。長崎空港は長崎県大村市にある海上空港だが、新大村駅は空港から車で10分程度の距離にある。
今回開業した新幹線駅は、佐賀側から武雄温泉、嬉野(うれしの)温泉、新大村、諫早、長崎の5駅で、新大村駅はちょうど中間の駅になる。新大村駅から長崎駅は15分程度、逆側の武雄温泉駅までも15分程度だ。嬉野温泉駅までは8分程度という近さだ。
つまり、新大村駅は長崎空港利用や温泉観光地へ向かう「ハブ駅」になりうる。
例えば、長崎空港から長崎駅へ向かう場合、リムジンバスを利用すると約45分だ。一方、新大村駅経由で新幹線を利用すると、長崎空港から新大村まで約10分、乗り換えに10分ほどかかるとして、新幹線の乗車時間が約15分で、計35分程度だろう。時間的には新幹線に分がある。
もちろんバスを利用した方が乗り換えの手間がなく便利…
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