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孫正義氏の「投資会社」を支える銀行巨額融資の内実

山口敦雄・毎日新聞経済部記者
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長=東京都港区で2019年2月6日、長谷川直亮撮影
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長=東京都港区で2019年2月6日、長谷川直亮撮影

ソフトバンクグループ経営の実態(5)

 投資会社と化したソフトバンクグループ(SBG)を資金面で支えるのが銀行だ。メインバンクのみずほ銀行をはじめ国内外の大手行が巨額の融資を続け、孫正義会長兼社長の投資意欲を支えている。孫氏は「投資先企業の株式の時価総額が負債を大きく上回っている」という趣旨の説明をし、財務の健全性をアピールする。しかし、市場関係者からは巨額の借り入れを抱えて投資を続ける孫氏の経営手法を危ぶむ声が聞かれる。

 ソフトバンクグループは毎年6月に開催する定時株主総会の招集通知で、傘下企業の分を合わせた連結の借入先の上位10社を公表している。

 2022年3月末時点で首位はみずほ銀行で8122億円。2位は米銀JPモルガン・チェースで6370億円。3位に三井住友銀行で6181億円と続く。邦銀では6位に三菱UFJ銀行3039億円、9位に三井住友信託銀行2401億円となっている。

みずほ銀との蜜月関係

 借入先で常に首位を独走するのがみずほ銀行だ。ソフトバンクグループとみずほ銀との関係は、孫正義会長兼社長が創業当初に同行の前身の第一勧業銀行から融資を受けたことから始まる。「長い蜜月関係」だ。

 みずほ銀はピーク時の2020年3月末時点では9122億円を貸し出していた。融資額の多さは他行と比べると際立っている。他行幹部からはみずほ銀の貸し出しの多さを心配する声が聞かれる。

 銀行には銀行法に基づく「大口融資規制」がある。特定の企業グループに対する融資額に上限を設けており、銀行の中核的自己資本(ティア1)の25%までという決まりだ。その企業グループの経営が傾き融資が焦げ付いても、銀行…

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毎日新聞経済部記者

 1974年生まれ。明治学院大法学部卒、同大大学院経営学修士。ビジネス誌「週刊エコノミスト」編集部記者、毎日新聞出版図書第二編集部編集長、毎日新聞学芸部記者を経て現職。著書に「楽天の研究」(毎日新聞社)がある。