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55歳の老後資金「退職まで9年」で今からできること

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
写真はイメージです
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 会社員のA夫さん(55)は、60歳の定年を前に、老後の生活設計である「リタイアメントプラン」について相談に訪れました。A夫さんは「リタイア後も、できるだけ今のライフスタイルは維持したい」と言います。会社の規定では、定年後も65歳まで再雇用で働くことができ、退職までは約9年あります。それまでに何ができるのかを考えました。

退職前5~10年間は「重要な時期」

 多くの人にとって、退職前の5~10年間は、自身のリタイアメントプランを定め、その実現をお金の面から支えるマネープラン(資金計画)をつくるための重要な時期となります。

 「人生100年時代」とされるなか、私のところに相談に訪れる人の多くは100歳までのマネープランづくりを希望されます。しかし、十分な貯蓄ができているように思えても、ライフスタイルや退職年齢によっては、80歳代半ばで資金が底をついてしまうケースも少なくありません。

 老後に自分の望むライフスタイルを送るためには、今後いくら老後資金を確保しておくべきかを考え、その目標を達成するためには毎月どれくらい投資・貯蓄すればよいのかを設定し、それを確実に実行していく必要があります。

 同時に、会社の退職制度についても十分理解し、住宅ローンなどの借入金がある場合には早めに完済する計画を立てることも重要になります。

 老後資金をどの程度確保しておくべきなのかは、自分の望むライフスタイル▽退職する年齢▽公的年金の受給額▽企業年金などの収入源の有無――などによって、人それぞれでしょう。

 しかし、ほとんどの人にとって、老後資金はある程度大きな金額になります。そのため、なるべく早めに準備することが必要となり、特に50~60代でどのような運用計画を策定するかがカギを握ります。

 まず、考えたいのは、老後の生活費をいくらに設定するかです。

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ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、社会保険労務士、MZ Benefit Consulting 代表取締役、オフィスベネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、顧客本位の独立系アドバイザーとして、家計相談、執筆、講演などを行っている。著書に「結局、2000万円問題ってどうなったんですか?」(サンマーク出版)など多数。