人生に必要な「おカネの設計」 フォロー

老後資金が不足?長生きリスクに備える「WPP」とは

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
 
 

 会社員のA郎さん(58)は60歳定年後、再雇用で65歳まで働く予定です。定年時には退職一時金が入り、現預金は約2000万円になる見込みです。

 また、A郎さんはこれとは別に、4年前から個人型確定拠出年金(イデコ=iDeCo)と少額投資非課税制度の「つみたてNISA」を利用して月計5万6000円の積み立て投資をしており、65歳まで続ける予定です。過去の運用データからは、65歳時点での資産額が約1200万円になると期待できます。

 A郎さんの老後を「100歳まで」と想定し、それまでに資産が枯渇しないマネープランを考えてみます。今回は「老後資金として蓄えた資産をどう取り崩していくか」という点に着目します。

100歳まで資金を持たせる

 平均寿命が延び、長生きする人が多くなるなかで、資産が足りなくなり生活困窮に陥る「長生きリスク」が顕在化しています。その備えとして、最近「WPP」という考え方が広がってきました。

 WPPは、継続就労(Work Longer)▽私的年金(Private Pension)▽公的年金(Public Pension)――の頭文字をとったものです。

 (1)働けるうちはできるだけ長く働き(2)公的年金の受給時期は繰り下げ(3)その受給時期までの「中継ぎ役」として私的年金を取り崩す――という考え方です。

 老後のマネープランについて、私のところに相談に訪れる人の多くは、リタイア後も運用を続けていかなければ80代半ばに資産が底をついてしまう状況です。しかし、WPPを実践すれば、多くの場合、100歳まで資産が持つというシミュレーション結果が得られています。

公的年金の「繰り下げ効果」に着目

 具体的にどうすればいいのか、順を追ってみていきましょう。

 …

この記事は有料記事です。

残り1943文字(全文2677文字)

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、社会保険労務士、MZ Benefit Consulting 代表取締役、オフィスベネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、顧客本位の独立系アドバイザーとして、家計相談、執筆、講演などを行っている。著書に「結局、2000万円問題ってどうなったんですか?」(サンマーク出版)など多数。