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資産所得倍増プラン「日本人は投資嫌い」の隠れた理由

渡辺精一・経済プレミア編集部
 
 

 家計が保有する現預金を投資に誘導し、資産形成を支援する政府の「資産所得倍増プラン」が動き出す。少額投資非課税制度(NISA)の拡充を柱に、NISAの口座数・投資額を5年で倍増させるのが目標だ。政府は「貯蓄から投資へ」のスローガンを四半世紀にわたり掲げてきたが、日本人の「現預金好き」は揺らいでいない。新プランは投資へのシフトをもたらすのだろうか。

資産所得の倍増は「長期的目標」

 政府は2022年11月28日に「資産所得倍増プラン」を正式決定した。家計が持つ現預金を投資に振り向けて、成長を後押しして家計の資産所得を増やす狙いだ。具体的には、今後5年でNISAの口座数を現在の1700万から3400万へ、買付額は現在の28兆円から56兆円へと倍増させる目標を掲げる。

 これを受け12月16日の与党税制改正大綱は、NISAの拡充を盛り込んだ。制度恒久化とともに投資可能期間を無期限とし、年間投資枠は最大年360万円、生涯投資枠1800万円と、従来よりも大幅な拡充となる。

 資産所得倍増プランは、岸田文雄首相が22年5月5日、ロンドンの金融街シティーでの講演で示した構想が元になった。

 日本の個人金融資産約2000兆円の半分は現預金だ。岸田首相は、この20年間で、投資大国である米国は家計金融資産が3.4倍、英国は2.3倍になったが、日本は1.4倍にとどまり、日本も「貯蓄から投資へ」の移行を大胆・抜本的に進めると語った。

NISA「倍増目標」やや高いハードルか

 NISAは14年に始まったが、18年に積みたて投資に絞る「つみたてNISA」がスタートしてから、特に若い層で…

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。