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NISAが拡充!「53歳父と24歳娘」親子の利用法

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
写真はイメージです
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 新年を迎え、会社員のA郎さん(53)は老後資金の準備を本格的に進めたいと考えています。また、娘で会社員のB子さん(24)も社会人2年目の今年から資産運用を始めるつもりです。2023年度税制改正で、少額投資非課税制度「NISA」が24年から大幅拡充されることになりました。A郎さんとB子さんは「NISAを資産形成にどう活用できるでしょうか」と親子で相談に訪れました。

年間投資枠360万円・生涯限度額1800万円

 NISAは、株式や投資信託の運用益が一定条件で非課税になる制度です。現在は、一般▽ジュニア▽つみたて――の3タイプがあり、非課税で保有できる期間や年間投資枠が決まっています。

 税制改正で、NISA制度は24年に抜本拡充されます。最大のポイントは、時限措置であった制度を恒久化し、非課税保有期間を無期限とすることです。これにより、若い世代からシニア層まで誰もが、資産形成の「お金の置き場所」としてNISAを活用できるようになります。

 新しいNISAは「つみたて投資枠」「成長投資枠(仮称)」の二つからなります。

 つみたて投資枠は、現行の「つみたてNISA」を引き継ぎ、「長期・積み立て・分散」投資に向く低コスト投信を積み立て投資する枠です。年間投資枠は120万円と現行の3倍に増えます。

 成長投資枠は、現行の「一般NISA」を引き継ぎ、上場株式などにも広く投資できます。年間投資枠は240万円で現行の倍に増えます。

 現在のNISAは、つみたてと一般の一方しか選べませんが、新しいNISA…

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ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、社会保険労務士、MZ Benefit Consulting 代表取締役、オフィスベネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、顧客本位の独立系アドバイザーとして、家計相談、執筆、講演などを行っている。著書に「結局、2000万円問題ってどうなったんですか?」(サンマーク出版)など多数。