なるほど電車ニュース フォロー

JR東「新幹線オフィス車両」わずか1年半で改名するワケ

土屋武之・鉄道ライター
新幹線オフィス車両はJR東日本の多くの新幹線に設けられている
新幹線オフィス車両はJR東日本の多くの新幹線に設けられている

 JR東日本が各新幹線にリモートワーク推奨車両として設けている「新幹線オフィス車両」が、春のダイヤ改正後の3月20日から「TRAIN DESK」に名称を変更する。2021年11月のサービス開始からわずか1年半での再出発となるが、いったい何が変わるのか、何か問題点があったのか。私自身が利用した経験も踏まえて解説したい。

利用方法が変わる

 新幹線オフィス車両はパソコン作業やウェブ会議といったオフィスワークが気兼ねなくできる車両として、最繁忙期を除く平日の新幹線の8号車に設定された。サービス開始当初は8号車の指定席販売はなし。利用客は他の号車に自席を確保したうえで、8号車に移動してパソコン作業などを行うのが原則だった。

 ところが東北・北海道新幹線の「はやぶさ」「はやて」が、22年6月27日から8号車の指定席特急券を購入して利用する方式を導入した。この方式が3月20日のリニューアルを経て、「かがやき」(北陸新幹線)や「とき」(上越新幹線)といったほとんどの新幹線に適用されることになる。

 客はTRAIN DESKが設定された号車の指定席特急券を購入すればよく、自席から移動して利用する必要はなくなる。もちろん追加料金はかからない。

抱えていた問題点

 では新幹線オフィス車両の問題点はどこにあったのか。

 やはりパソコンなどの仕事道具を抱え、席を移動してから利用しな…

この記事は有料記事です。

残り885文字(全文1466文字)

鉄道ライター

1965年、大阪府豊中市生まれ。大阪大学で演劇学を専攻し、劇作家・評論家の山崎正和氏に師事。出版社勤務を経て97年に独立し、ライターに。2004年頃から鉄道を専門とし、雑誌「鉄道ジャーナル」のメイン記事などを担当した。東日本大震災で被災した鉄道路線の取材を精力的に行うほか、現在もさまざまな媒体に寄稿している。主な著書に「ここがすごい!東京メトロ」(交通新聞社)、「きっぷのルール ハンドブック」(実業之日本社)など。