
会社員のA助さん(35)はマイホームの購入を検討しています。気に入った物件のモデルルームを見学し、相談窓口のファイナンシャルプランナーに住宅ローン返済計画を作成してもらいました。最初は低金利の変動金利型で借り入れ、金利が上がりそうな局面で固定金利型に借り換えることを検討しています。A助さんは「この計画で問題はないでしょうか」と相談に訪れました。
低金利の「変動金利型」が大人気
A助さんは、変動金利型の住宅ローンを利用して、住宅購入資金5000万円を期間35年で借り入れる計画です。現在の適用金利は年0.575%、返済額は月額13万1454円です。
住宅ローンの変動金利は現在、史上最低水準にあり、目先の返済額が少なくてすむため、多くの人が利用しています。国土交通省の「民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、2020年度の新規借り入れの7割は変動金利型でした。
A助さんは「こんなに低金利の状況で変動金利にしない理由がわからない」と言います。一方で、今後の利上げがどう影響するのかを心配しています。
住宅ローンの金利タイプには大きく、変動金利型▽全期間固定金利型▽固定期間選択型――の三つがあります。
変動金利型は、金融情勢に伴い定期的に金利を見直します。借り入れた時点で将来の返済額は確定しません。現在は金利が低く、手数料も安いですが、今後、金利が上がった場合は返済額が増えます。
全期間固定金利は、借り入れたときの金利が返済期間を通じて変わりません。金利は変動金利より高めに設定されます。
固定金利選択は「当初〇年間〇%」など、借り入れ後の一定期間は金利を固定し、その後、改めて変動金利か固定金利か…
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