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鳥海高太朗は見た コロナ後の「週末台湾」復活の兆し

鳥海高太朗・航空・旅行アナリスト
夜の台北。中心街だけでも夜市はあちこちに
夜の台北。中心街だけでも夜市はあちこちに

 新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが「2類」から「5類」に変更となり、旅行へのハードルもなくなりつつある。特に海外旅行は帰国時に必要だったワクチン接種証明書などが4月29日から不要となり、コロナ禍前の状況にほぼ戻ってきた。

 筆者は出張ではあったが、5月21日の日曜日から台湾の台北を訪れ、現地のグルメなども楽しみつつ3日間滞在した。そのときの模様をリポートする。

明らかに増えた海外旅行客

 台湾は2022年11月にも訪れたが、その時点で新型コロナ関連の入国要件は撤廃されていた。台北の空港到着後、抗原検査キットを渡されて自己チェック、という程度だったが、今回の渡航ではそれもなくなっていた。

 変化がよく目についたのは出発前の羽田空港だ。ANAの羽田空港発、台北・松山空港行きを利用したが、海外旅行客と思われる日本人は明らかに増えていた。パスポートの発給数も22年に増加に転じるなど、久しぶりの海外旅行に出かけようという動きが活発化してきている。円安や物価安、さらにはジェット燃料の価格が高騰していることで、近場のアジアは特に人気だ。

台北に来たらまず小籠包!

 台北に到着してまず味わいたいのが小籠包(ショウロンポウ)だ。日本人にも名前がよく知られる「鼎泰豊(ディンタイフォン)」は小籠包がメインの点心料理チェーンで、筆者の行きつけの場所にもなっている。小籠包は豚肉だけでなく、カニみそが入った素晴らしい味。チャーハンも絶品で、台北旅行の際にはぜひ訪れてほしい店だ。

 ただ、コロナ禍前は人気スポットの永康街にある「信義店」が同チェーンの本店で、多くの観光客が集まっていたが、現在はテークアウト専門となっている。店内で食べたいなら道路を挟んで150メートルほどの場所にある「新生店」に行くとよい。

 新生店はイートイン席が300弱あるのだが、平日でも30~40分待ち、週末になると1時間以上の待ち時間になることも多い。もちろん整理番号が配られるし、ホームページで現在の呼び出し番号を確認できるので、店の前でずっと待つ必要はない。ある程度は日本語のサポートもある。

魯肉飯と生マンゴーも

 もう一つ推したいのは「魯肉飯(ルーローファン)」だ。ご飯の上に煮込んだお肉をかけるシンプルな組み合わせが最高で、筆者は現地に行く…

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航空・旅行アナリスト

1978年千葉県生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科修士課程修了。食品会社、城西国際大学観光学部助手を経て、帝京大学、共栄大学、川村学園女子大学で非常勤講師。専門は航空会社のマーケティング戦略。テレビやラジオの情報番組に多数出演し航空会社や旅行の解説を行う。近著に「コロナ後のエアライン」。