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iPhone 15の「充電端子」が変わる 独自規格をやめた理由

石野純也・ケータイジャーナリスト
 
 

 アップルが9月22日に「iPhone 15」シリーズ4機種を発売する。

 4機種はiPhone 15/iPhone 15 Plusと、上位モデルのiPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Max。日本ではドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社も取り扱う。

 iPhone 14シリーズからの大きな変化は、充電端子に標準規格の「USB-C」を採用したことだ。待ち望んでいたユーザーも多いようだが、これによって何が変わるのだろうか。

10年以上、独自規格を維持

 アップルは2012年発売のiPhone 5から充電端子に「Lightning(ライトニング)」と呼ばれる規格を採用し、10年以上、その仕様を受け継いできた。22年発売のiPhone 14シリーズもライトニング端子を搭載していた。

 ライトニングはアップルの独自仕様だ。充電ケーブルやイヤホンなどの周辺機器メーカーに向けて認証制度も設けている。認証チップの代金がかかることで一部では不満の声も上がっていたが、一つの経済圏ができていたと言える。

 iPhoneは機種別の販売数が世界で最も多いだけに、ライトニングを使用する周辺機器のバリエーションも豊富だ。ユーザーはiPhoneを継続利用していれば、充電ケーブルをいくつも買う必要がないのもメリットだった。

背景にEUの規制

 では、10年以上も続けた規格をなぜ変えたのか。iPhone 15の製品発表会(9月12日)ではアップル側から言及はなかったが…

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ケータイジャーナリスト

1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。