
北海道大野記念病院医師/国際山岳医
おおしろ・かずえ 1967年長野県生まれ。医学博士、山岳医療修士。日本大学医学部卒業後、循環器内科医として約10年間の付属病院勤務を経て、「山での遭難者を助けたい」という思いを募らせて本格的に山岳医療の勉強を始める。98年、アフリカ大陸最高峰キリマンジャロ(5895m)に登頂。心臓血管センター大野病院(現・北海道大野記念病院)を拠点に診療を続けるが、09年に退職し渡英。1年をかけて日本人として初めて「UIAA(国際山岳連盟)/ICAR(国際山岳救助協議会)/ISMM(国際登山医学会)認定国際山岳医」の資格を取得した。現在は同病院の循環器内科・内科および登山外来で勤務するかたわら、北海道警察山岳遭難救助隊のアドバイザーも務める。遭難実態を知り、現在遭難しないための医療情報、心臓死の予防、高所登山のアドバイス、ファーストエイド技術の講習会主宰など、山と登山に関する多方面で活躍する。13年には三浦雄一郎さんのエベレスト遠征隊にチームドクターとして参加した。自身もマッキンリー、マッターホルン、マナスル(世界第8位)登頂など海外を含む豊富な登山歴を持つ。
専門家・執筆者記事 16件
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猛暑の登山は疲労が招く遭難に注意
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2016年8月10日
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ついこの間まで冬だったと思ったら、最近は急に暑くなり、春を通り越して、一気に夏になってしまいそうです。 冬の間は登山をして…
2016年5月31日
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山の知識を生かして巨大災害に対処する!
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災害やテロなど、悲しいニュースが相次いでいます。被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。 実は、3月にベルギー・…
2016年4月29日
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「自らを助ける能力」ファーストエイドは登山技術の一つです!
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2016年3月28日
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今回は、雪崩に遭遇した場合の医療的側面をお話ししていきます。早速ですが、皆さんは雪崩による死因は何が一番多いと思われますか…
2016年2月29日
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「雪崩・道迷い・外傷」はバックカントリー3大遭難原因!
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◇日本の冬山はパウダースキー天国 ここ数年、スキー場のゲレンデの外で、スキーやスノーボードの事故が相次いでいます。この冬は…
2016年1月6日
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おなか壊さず、発熱せず 山を楽しむには体調管理を万全に
登山外来の現場から
◇あこがれの海外登山 安全に楽しむ三つのキーワード【後編】 人気の海外登山で注意すべき健康問題を、前回から紹介しています。…
2015年11月17日
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絶対不可欠!ワクチン接種&エリア別高山病対策
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◇あこがれの海外登山 安全に楽しむ三つのキーワード【前編】 ネパールのヒマラヤ、アフリカのキリマンジャロ、ヨーロッパアルプ…
2015年11月16日
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登り以上に要注意! 下山中のけが
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◇足の疲労は下山でやってくる! 三浦雄一郎さんと言えば、皆さんご存じの通り、80歳でエベレスト登頂を成し遂げ、世界を驚かせ…
2015年10月14日
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登山外来の現場から
紅葉の美しいシーズンになってきました。写真撮影などに出かける方も増える時期です。 さて…… 低体温症という言葉が、ずいぶん…
2015年9月14日
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富士山での3大疾病 脱水、高山病、低体温症
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◇初めての富士登山【2】 前回は、初めての富士登山で不可欠な高山病対策についてお話ししました。「初めての富士山」後編の今回…
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登山外来の現場から
◇初めての富士登山【1】 いよいよ富士山が山開きしましたね。7月と8月の間に30万人が登る人気の富士山。標高は3776mで…
2015年7月31日
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登山外来の現場から
前回は、山での心臓突然死を防ぐために知っておきたい、事前の準備、登山前日および当日の予防法についてお話ししました。今回は「…
2015年7月10日
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防ごう!山での心臓突然死(2)
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前回は、山での心臓突然死の特徴をお話ししました。「自分にあてはまっているな」と思った方がいらしたのでは? 山から病院までは…
2015年7月3日
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登山外来の現場から
前回、3大山岳死因は「外傷」「心臓突然死」「寒冷傷害(低体温症と雪崩埋没)」とお話ししました。心臓突然死は山域に関わらず起…
2015年6月19日
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ちょっとけがをした−それは「遭難」ですか?
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いつの間にか中高年入りしてしまった「登山外来の現場から」執筆者の大城和恵です。 体の動きも体力も昔と違うことを少しずつ感じ…
2015年6月1日