
津田篤太郎
NTT東日本関東病院リウマチ膠原病科部長
1976年京都生まれ。京都大学医学部卒。北里大学大学院修了(専攻は東洋医学)。東京女子医大付属膠原病リウマチ痛風センター、JR東京総合病院、聖路加国際病院Immuno-Rheumatology Centerを経て、現在、NTT東日本関東病院リウマチ膠原病科部長。福島県立医科大学非常勤講師。著書に「未来の漢方」(森まゆみと共著、亜紀書房)、「漢方水先案内 医学の東へ」(医学書院)、「ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話」(上橋菜穂子との共著、文藝春秋)など。訳書に「閃めく経絡―現代医学のミステリーに鍼灸の“サイエンス"が挑む! 」(D.キーオン著、須田万勢らと共訳)がある。
専門家・執筆者記事 23件
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漢方と占いの怪しい?関係 孔子も尊んだ「易経」の思想
漢方ことはじめ
以前、ある学会から「漢方薬で抗生物質の使用量を減らせるか」をテーマに講演を委嘱されました。現代医学において、抗生物質は細菌…
2022年5月10日
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「不治」と「誤治」ーー漢方の失敗学
漢方ことはじめ
医療は神ならぬ人がやっていることですから、いつも良い結果を生むとは限りません。医療ミスや薬害といった話題はマスコミでセンセ…
2022年4月12日
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危機の季節の処方箋
漢方ことはじめ
寒さ厳しい季節がようやく終わりを迎え、草木が芽吹き花ほころぶ春がやってきたというのに、毎日流れてくるニュースは陰鬱な気分に…
2022年3月8日
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漢方医たちの休日 ~趣味は医業の敵か味方か~
漢方ことはじめ
現代のようにさまざまな娯楽がなかった江戸時代、医師たちは余暇をどのように過ごしていたのでしょうか。明治の文豪、森鷗外の著し…
2022年2月8日
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「おけらまいり」で疫病退散を願った先人たちの知恵
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今回はお正月らしい話題をひとつ。 私の実家にほど近い八坂神社(京都市東山区)では、例年大みそかの深夜から元日の早朝にかけ、…
2022年1月11日
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漢方薬の名前に見る中華帝国の政治力学
漢方ことはじめ
医者の同僚に「漢方を教えてほしい」と頼まれたとき、最初のハードルになるのが「漢字の多さ」です。日本語を使う人なのに漢字が苦…
2021年12月28日
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長く生き残り続けていくために必要なものは何か
漢方ことはじめ
日本では、現代医学的治療も漢方薬による治療も同じ健康保険制度でカバーされます。ただ、このようなことが可能なのは世界でも珍し…
2021年12月14日
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なぜ「良薬は口に苦し」なのか ~薬の見かけ・匂い・味の意味~
漢方ことはじめ
「先生、患者さんから電話がかかっています」 外来の看護師が私に声をかけてくれました。先日、あるかかりつけの患者さんに処方し…
2021年11月23日
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免疫学者が新作能に書いた「五運六気」の謎
漢方ことはじめ
いまから5年前のある日、私はテレビに映っている能舞台にくぎ付けになっていました。 そもそも病といえるは 五運六気の乱れ…
2021年11月9日
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病は「気候」から 気候と健康の関係
漢方ことはじめ
10月は例年ノーベル賞のニュースが世間をにぎわせます。今年は大気中の二酸化炭素濃度が気候変動に与える影響を研究した真鍋淑郎…
2021年10月26日
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「聞く」ことの大切さ 伝統医学で重要視される“漠然とした”感覚
漢方ことはじめ
「聞香(もんこう)」という言葉があります。香りは嗅ぐものではなく「聞く」ものだ、という香道の考え方が表れている言葉です。漢…
2021年10月12日
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「分け隔てのない医療」のメリット
漢方ことはじめ
いま、新型コロナウイルス感染症は、ようやく“第5波”が収束の兆しを見せ、全国の新規感染者数が減少を続けていますが、濃厚な医…
2021年9月28日
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私たちはなぜ健康を保たないといけないのか 「養生」の論理と倫理
漢方ことはじめ
私が漢方を学んだ北里大学東洋医学研究所では、夏と冬の年2回、医学の歴史に関する講演会を催しています。普段、学会などに参加す…
2021年9月14日
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伝統が新しいものを生む瞬間 ~音楽と医学の対話に学ぶ~
漢方ことはじめ
先日、江戸浄瑠璃一中節の宗家、都一中氏とお話しする機会がありました。日本の古典音楽の第一線で活躍されている一中氏ですが、西…
2021年8月24日
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漢方医から見た”新薬登場”の舞台裏
漢方ことはじめ
先日、軽症の新型コロナウイルス感染症を適応症とする新薬「ロナプリーブ」が厚生労働省により承認されました。昨年10月、アメリ…
2021年8月10日
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疫病はどこからくるのか? 先人たちの頭を悩ませた難問
漢方ことはじめ
2021年6月、米食品医薬品局(FDA)は、天然痘治療のための新たな抗ウイルス剤を承認したと発表しました。40年以上前に絶…
2021年7月20日
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漢方のベストセラー・葛根湯の秘密
漢方ことはじめ
漢方についてあまりよく知らない人でも、「葛根湯(かっこんとう)」という薬の名前は耳にしたことがあるのではないでしょうか。風…
2021年7月6日
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パンデミックと闘う行政長官、医学史に偉大な足跡
漢方ことはじめ
今般の新型コロナウイルス感染症のパンデミックは1年を超えて長期化し、その間患者数が急激に増えては、自粛の強化や緊急事態宣言…
2021年6月22日
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ワクチン副反応を漢方医学の視点で考える
漢方ことはじめ
先日、医療関係者向けの新型コロナウイルスのワクチン接種を受けました。1度目はほとんど痛みも何も感じず、インフルエンザワクチ…
2021年6月6日
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ワクチンで人々を救った幕末のスーパー・ドクター
漢方ことはじめ
その昔、常陸国と呼ばれていた現在の茨城県は、今でこそ魅力度ランキングで最下位の常連ですが、漢方の歴史では本間棗軒(そうけん…
2021年5月18日
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ワクチン今昔物語
漢方ことはじめ
私がまだ学生だった頃、行きつけの飲み屋でたまたま、さる高名なドイツ哲学の先生と知り合いました。その先生の著書を読んでいたの…
2021年5月2日
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100年後から眺める最新の医学
漢方ことはじめ
◇全く新しいシステムのワクチン 最近、新型コロナウイルス感染症のワクチンに関するニュースが話題にのぼることが多くなっていま…
2021年4月21日
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タタミと医療は新しい方がいいのか?
漢方ことはじめ
◇医学における「進歩主義」と「尚古主義」 私は免疫の病気を主に診ている内科医です。 免疫とは自分の体を外敵から防衛するシス…
2021年4月1日