紙面より

放射線で前立腺がん治療 切除手術せずに高い効果、副作用も低減

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最新鋭の放射線治療装置トモセラピー。患者は台の上で寝ているだけで治療が進む=東京都江戸川区の江戸川病院で、河内敏康撮影
最新鋭の放射線治療装置トモセラピー。患者は台の上で寝ているだけで治療が進む=東京都江戸川区の江戸川病院で、河内敏康撮影

 超高齢社会を迎え患者が増えている男性特有の前立腺がん。最近は切らずに治す放射線治療が注目を集める。体の外側や内側から放射線をピンポイントでがんに照射して破壊する。副作用も少なく、専門家は「患者のQOL(生活の質)を落とさない治療法」と説明する。

 ●痛み、かゆさもなし

 今月10日夕、江戸川病院(東京都江戸川区)のがんセンターを訪れると、高齢の男性患者が列をなしていた。患者らは病院が用意した服に着替え、ドーナツ型の装置へと1人ずつ向かう。全国でもまだ約40台しかない最先端の放射線治療装置トモセラピーだ。患者は台の上で横になるだけ。後は台が自動的に装置の中を出入りする。「放射線の照射はわずか数分。患者は痛みや熱さ、かゆさも感じない」。同病院放射線科の浜幸寛部長はトモセラピーのメリットをこう説明する。

 放射線は、がん細胞を破壊する有力な手段だ。前立腺内にがんがとどまっている場合、72グレイ(グレイは放射線の単位)以上の線量をがんに照射すれば、手術と同じか、それ以上の治療効果を得られる。一方、前立腺は形が複雑で、すぐそばに直腸や膀胱(ぼうこう)などがある。このため、これまでは高線量の放射線を前立腺がんに照射すると、周りの直腸や膀胱にも必要のない放射線が当たり、頻尿や排尿困難、直腸からの出血、性的…

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