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背中の痛みに潜む病気 怖い心筋梗塞や大動脈解離

福島安紀・医療ライター

 「背中に耐えられないほど激しい痛みがある」「随分前から痛みが続いてつらい」……。背中の痛みは、単なる筋肉の疲労にとどまらず、内臓の病気の重大なサインである場合がある。どのようなときに病院にかかったらよいのか。背中に痛みが出る病気とその対処法とは?

脈が血圧上回ると危険

 「背中に痛みが出る病気で最も怖いのは、心筋梗塞(こうそく)と胸部大動脈解離です。胸痛を伴うことが多いものの、痛みが背中だけに出る人もいます。背中の上のほうに強い痛みが続くとき、『5時から急に痛くなった』などと痛みが始まった時間が正確に分かるようなときは救急車を呼びましょう」

 東邦大医療センター大森病院総合診療・急病センター教授の瓜田純久(よしひさ)さんは、そう強調する。胸部大動脈解離は心臓から全身に血液を送る大動脈が突然裂け、すぐに手術をしないと命に関わる病気。2013年12月に、歌手の大滝詠一さん(享年65)がこの病気で急逝している。

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医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。