島にある貯水池から見た朝日=筆者撮影
島にある貯水池から見た朝日=筆者撮影

 はじめまして。今回記事を書かせていただくことになりました太田龍一と申します。現在沖縄県の離島診療所で勤務しております。医師としてはまだ6年目の新米ですが、島民の方々に支えられながら充実した毎日を送らせていただいております。私の専門は家庭医療学というもので、聞きなれない方が多いかもしれません。簡単に説明させていただくと、患者さんをその周囲を含めてまるごとみる分野です。患者さんにはそれぞれに今まで生きてきた歴史があり、そのなかで培われた人生観や人間関係があります。それらを考えながら患者さんと一緒にそれぞれの方にあった治療法を考えていく事を専門にしています。

 連載第1回の今回は、現在私が住んでいる場所、南大東島について紹介させていただきます。この島は沖縄本島から約400km東に位置しております。おそらく台風情報で皆さんも一度は目にしたことがあると思いますが、意識しないとわからないと思います。去年も三つの台風が島の上を通過していきました。日本で最初に台風の接近が報じられる場所の一つです。

 沖縄の離島と聞いた方がはじめに思い浮かべるのは、快晴の空とその下に広がるコバルトブルーの海と美しい砂浜、ではないでしょうか。実は南大東島には美しい砂浜はおろかビーチすらありません。それはこの島のできかたに理由があります。サンゴ礁が地殻変動の影響でせり上がり、それに波の浸食が加わった影響で島の中央部が盆地のようにへこみ、周囲がびょうぶのように高い、ちょうど断面が台形になるような形をしています。その…

この記事は有料記事です。

残り789文字(全文1436文字)

太田龍一

沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長

おおた・りゅういち 大阪府出身。2004年大阪市立大学医学部入学。同大学卒業後、10年から沖縄県立中部病院プライマリケアコースで研修。13年から現職。人口約1400人の南大東島で唯一の医師として、島民の日常的な健康管理から救急医療までを一手に担う。趣味は読書とランニング。毎年秋に開かれる島の運動会、駅伝大会への参加を目指し、鋭意トレーニング中。