開眼!ヘルシーアイ講座

赤ちゃんと中高年の目、違いはどこに

戸田郁子・南青山アイクリニック院長
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 脳に送られる情報の8割以上は、目から入るとも言われています。狩猟生活で獲物を追った大昔も、スマートフォンやタブレット、パソコンに囲まれている今も、目が人にとってとても重要な感覚器であることに変わりはありません。 一方で、人は何歳までも鮮明にものを見ることができるわけでもないのです。それどころか、目は最初に衰えを感じる体の器官の一つと言われています。40代から始まる老眼、世界で最も手術件数が多いと言われる白内障、さらに近年、増加傾向にあり、発見が遅れると失明の恐れがある緑内障や加齢黄斑変性。人生を最期までよく生き、よく見るためにはどうすればよいのでしょうか。誰にでも訪れる目の老化と、それに伴う病気、治療の最前線を南青山アイクリニック(東京都)の戸田郁子院長らに聞いていきます。第1回は目の仕組みの基本を押さえつつ、「目が老いる」とはどういうことかをお伝えします。【聞き手=編集部・中村好見】

 目はよくカメラに例えられます。カメラのレンズに当たるのが「角膜」と「水晶体」、フィルムやセンサーに該当するのが「網膜」です。光は角膜(黒目)と水晶体を通って、屈折されてピントを合わせ、その映像を目の奥にある網膜が捉えて、脳が認知します。近くのものを見る時には、毛様体筋が力こぶを作るように収縮して盛り上がり、水晶体をつり下げているが毛様体小帯が緩み、水晶体が厚くなりピントを合わせます。

 水晶体はたんぱく質でできています。赤ちゃんのころはゲル状で軟らかかったのが、年齢を重ねるとだんだんと弾力を失って硬くなります。そして毛様体小帯が緩んでも、水晶体の厚さを変えられなくなってきて、近くのものにピントが合わせられなくなります。これが老眼です。毛様体小帯を緩める毛様体筋の収縮力が弱まることも、老眼の原因の一つと言われています。

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戸田郁子

南青山アイクリニック院長

とだ・いくこ 筑波大学卒業、東京慈恵会医科大学眼科、慶應義塾大学眼科学教室に入局。ハーバード大学眼研究所でドライアイの重症型であるシェーグレン症候群の基礎研究に従事した後、97年から南青山アイクリニック院長。専門はレーシックを含む屈折矯正手術。