40代からのアクティブ体づくり講座

骨、筋肉、関節の老化とは

萩野浩・鳥取大学教授
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 手足を動かして歩く。日常生活で当たり前の動きですが、中高年以降ある日突然、膝が痛くて歩けなくなったり、つまずいただけで骨折したりすることが、誰にでも起こり得ます。骨、関節、筋肉、神経から成る「運動器」の連携機能により、私たちは、歩いたり、座ったり、立ったり、自由に体を動かしているのです。しかし加齢に伴い、骨量や筋力などが低下するなど、運動器は確実に老化していきます。今回は、エージングにより私たちの運動器に何が起きるのか、それぞれ「骨の老化」「関節の老化」「筋肉の老化」について、鳥取大学の萩野浩先生にお聞きしました。【聞き手=編集部・西田佐保子】

 骨の老化には大きく二つ原因があります。一つは骨量の減少です。骨は3〜4カ月の間で、破骨細胞が古い骨を壊して骨芽細胞が骨を作る「リモデリング」という骨代謝を繰り返し、実に1年間に約2〜10%もの骨が新しく入れ替わっています。しかし、人生の中で最も骨が活発に作られ、骨の量が多い20代をピークに、骨量は減少していきます。

 もう一つの原因は骨質の低下です。同じ骨密度であっても、60歳の女性と80歳の女性を比べると、80歳の女性の方が骨折しやすいのです。骨はカルシウムやコラーゲンなどの成分により構成されています。いまだ骨の質を決めているのが何かは十分には分かっていませんが、加齢により質の悪いコラーゲンが多くなり、そのため骨質が悪くなるのが原因の一つではないかと考えられています。

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萩野浩

鳥取大学教授

はぎの・ひろし 1982年鳥取大学医学部卒業。同学部整形外科助手、講師、付属病院リハビリテーション部長などを経て現在、医学部保健学科教授(付属病院リハビリテーション部長兼務)。専門は骨粗しょう症、関節リウマチ、運動器リハビリテーション。特に骨粗しょう症治療の経験が深く、国際骨粗鬆(しょう)症財団(IOF)アジア太平洋地域代表、日本骨粗鬆症学会理事など要職を務める。保健師、看護師、臨床検査技師などを対象に骨粗しょう症診療のコーディネイター役「骨粗鬆症マネージャー」を養成する日本骨粗鬆症学会のレクチャーコースでは講師役も務める。著書に「骨粗鬆症治療薬の選択と使用法―骨折の連鎖を防ぐために」(南江堂)など。