人類史からひもとく糖質制限食

縄文人に虫歯が意外に多かった理由

江部康二・高雄病院理事長
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古人骨から虫歯を探してみたら

 今回は、縄文人の虫歯率が意外に多かったのには、糖質が関係しているという話です。具体的には縄文人の虫歯率は8.2%でした。30%を超える現代日本人や、農耕が始まった弥生時代の16.2〜19.7%よりは低いのです。しかし、近現代イヌイットや、7600〜3000年前のアメリカ先住民が3%未満であるのに比べると、縄文人の虫歯の多さは際だっています。人類史と虫歯の関係がとても興味深かったので、「古病理学辞典」(藤田尚編、同成社)を読んでみました。151ページの表1に古人骨における虫歯率の比較が載っていましたので、以下一部を抜粋してみました。

 ちなみに、農耕を開始して穀物(糖質)を食べ始めて、虫歯が倍以上に増加したのは日本だけではありません…

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江部康二

高雄病院理事長

えべ・こうじ 1950年生まれ。京都大学医学部卒業。京都大学胸部疾患研究所(現京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学)などを経て、78年より医局長として一般財団法人高雄病院(京都市)に勤務。2000年理事長に就任。内科医、漢方医。糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立したパイオニア。自身も02年に糖尿病であることが発覚し、実践して糖尿病と肥満を克服する。これまで高雄病院などで3000人を超える症例を通じて、糖尿病や肥満、生活習慣病、アレルギーなどに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明し、数々のベストセラーを上梓している。