夜の森を静かに小舟で進むと、炎のように赤いくちばしをしたコウハシショウビンに出会った。学名Pelargopsis capensis。全長37cm。水辺で暮らし、水に飛び込んで魚やエビやカニ、トカゲやカエルなどを食べる。
夜の森を静かに小舟で進むと、炎のように赤いくちばしをしたコウハシショウビンに出会った。学名Pelargopsis capensis。全長37cm。水辺で暮らし、水に飛び込んで魚やエビやカニ、トカゲやカエルなどを食べる。

ボルネオ:川の民、オラン・スンガイ族 #2

 空が夕暮れのオレンジ色に染まる頃、「川の民」オラン・スンガイ族の生活の糧となる川を小舟で進んでいると、川岸で40〜50頭ほどのサルの群れに出会った。ニホンザルに近い種類であるカニクイザルだ。元気に跳びはね、追いかけっこをしているわんぱくな子ザルたち、仲間の毛づくろいに熱中したり、頬にある頬袋いっぱいに植物の実や葉をほおばったりしている。彼らは名前のようにカニを食べることが知られているが、実際は主に雑食で葉や果実、木の実などを食べている。舟を止めてじっと観察していると、サルからも多くの視線がこちらに向けられる。人間が気になりつつも、それぞれ自分の夢中になっていることに没頭している。そのしぐさはどこか人間を思わせ、つい笑ってしまう。

 さらに小舟を進ませると、河岸の大きな樹上にテングザルの群れがいた。鼻は雄の成獣では年とともに大きく…

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鷺森ゆう子

エスノ・メディカル・ハーバリスト(民族薬用植物研究家)

さぎもり・ゆうこ 神奈川県生まれ。動物専門学校看護科卒。日本大学英文学科卒。1994年より動物病院で獣医助手として勤務する。同時に海や川の環境保全を行う環境NGOに携わり、海洋環境保全に関するイベントの運営などを行う。また中米のベリーズを訪れ、古代マヤ人の知恵を生かしたナチュラルメディスンに触れ、自然の薬に、より関心を持つようになる。このような体験を会報誌へ執筆する。95年から1年間、東アフリカのケニアにて動物孤児院や、マサイ族の村でツェツェフライコントロールプロジェクトのボランティアに参加する。このときサバンナでは、マサイ族直伝のハーブティーなどを体験する。帰国後は再び環境NGOなどに関わりながら、国内での環境教育レクチャーや、中米グァテマラの動物孤児院にてボランティア活動を行うなど、野生生物と人との共生について探求する。2006年から野生生物の生きる環境や、世界の自然医療の現場を巡る。

藤原幸一

生物ジャーナリスト/NATURE's PLANET代表

ふじわら・こういち 秋田県生まれ。日本とオーストラリアの大学・大学院で生物学を学ぶ。現在は、世界中の野生生物の生態や環境問題、さらに各地域の伝統医学に視点をおいて取材を続けている。ガラパゴス自然保護基金(GCFJ)代表。学習院女子大学・特別総合科目「環境問題」講師。日本テレビ「天才!志村どうぶつ園」監修や「動物惑星」ナビゲーター、「世界一受けたい授業」生物先生。NHK「視点論点」「アーカイブス」、TBS「情熱大陸」、テレビ朝日「素敵な宇宙船地球号」などに出演。著書は「きせきのお花畑」(アリス館)、「森の声がきこえますか」(PHP研究所)、「マダガスカルがこわれる」(第29回厚生労働省児童福祉文化財、ポプラ社)、「ヒートアイランドの虫たち」(第47回夏休みの本、あかね書房)、「ちいさな鳥の地球たび」(第45回夏休みの本)、「ガラパゴスに木を植える」(第26回読書感想画中央コンクール指定図書、岩崎書店)、「オーストラリアの花100」(共著、CCCメディアハウス)、「環境破壊図鑑」(ポプラ社)など多数。