登山外来の現場から

防ごう!山での心臓突然死(3)

大城和恵・北海道大野記念病院医師/国際山岳医
  • 文字
  • 印刷

 前回は、山での心臓突然死を防ぐために知っておきたい、事前の準備、登山前日および当日の予防法についてお話ししました。今回は「山での心臓突然死」の最終回。登山中に気をつけたい「体の緊張状態」を知る方法と、実際に心臓発作が起きてしまった場合の対応法についてご紹介します。

1.体の緊張状態を知るにはどうしたらいいですか?

 心臓突然死が登山の初日と午前中に多いことは、「山での心臓突然死(1)」でお話しした通りです。これは交感神経が活性化して体が緊張状態にあるからです。自分の体が緊張状態にあるかどうかを知るために、以下の2点を確認しましょう。

 (1)排尿の回数がいつもより少なくないですか? :脱水状態にあると、排尿の回数が日常生活より少なく…

この記事は有料記事です。

残り1488文字(全文1806文字)

大城和恵

北海道大野記念病院医師/国際山岳医

おおしろ・かずえ 1967年長野県生まれ。医学博士、山岳医療修士。日本大学医学部卒業後、循環器内科医として約10年間の付属病院勤務を経て、「山での遭難者を助けたい」という思いを募らせて本格的に山岳医療の勉強を始める。98年、アフリカ大陸最高峰キリマンジャロ(5895m)に登頂。心臓血管センター大野病院(現・北海道大野記念病院)を拠点に診療を続けるが、09年に退職し渡英。1年をかけて日本人として初めて「UIAA(国際山岳連盟)/ICAR(国際山岳救助協議会)/ISMM(国際登山医学会)認定国際山岳医」の資格を取得した。現在は同病院の循環器内科・内科および登山外来で勤務するかたわら、北海道警察山岳遭難救助隊のアドバイザーも務める。遭難実態を知り、現在遭難しないための医療情報、心臓死の予防、高所登山のアドバイス、ファーストエイド技術の講習会主宰など、山と登山に関する多方面で活躍する。13年には三浦雄一郎さんのエベレスト遠征隊にチームドクターとして参加した。自身もマッキンリー、マッターホルン、マナスル(世界第8位)登頂など海外を含む豊富な登山歴を持つ。