医療プレミア特集

働き盛りの命奪う「胆管がん」の厳しい現実

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 11日死去した任天堂の岩田聡社長(55)は、昨年6月に胆管腫瘍の手術を受け、その後闘病を続けてきた。しかし数日前に急変し亡くなったという。1月に同じ病気で亡くなった柔道家、斉藤仁さんも同世代の54歳だった。働き盛りの命を奪った胆管腫瘍(胆管がん)とはどんな病気なのか。【医療プレミア編集長・奥野敦史】

 消化器がんの専門医は、胆管がんについて「難しいがん」と口をそろえる。三嶋秀行・愛知医科大臨床腫瘍センター教授(消化器外科、がん化学療法)は「見つけにくく、有効な薬も少なく、治癒は困難なことが多い」と話す。その最大の特徴は、早期の段階ではほとんど症状が出ないことだ。佐野病院(神戸市)の小高雅人・消化器がんセンター長(消化器外科)は「がんが進行して、胆管が詰まってしまうと黄疸(おうだん)が出るが、その時にはすでにがんはかなり進行していて、治療が間に合わないことが多い」と指摘する。両医師とも「膵臓(すいぞう)がんと並んでもっとも難治性のがんだ」との見解で一致する。

 国立がん研究センターがん情報サービスによると、胆道がん(胆管がんと胆のうがん、胆管が十二指腸につながる部分の乳頭部がんの合計)の罹患(りかん)数(2011年)は男女計で約2万3600人。一方、死亡数(13年)は男女計約1万8200人に達する。大腸がん(罹患数約15万8000例、死亡数約4万7600人)と比べると、胆道がんはその罹患数と死亡数に大きな差がないことが目につく。

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