医療プレミア特集

続くリンゴ病流行 妊婦は要注意

中村好見・毎日新聞 医療プレミア編集部
  • 文字
  • 印刷
両側の頬に現れた発疹=国立感染症研究所提供
両側の頬に現れた発疹=国立感染症研究所提供

 伝染性紅斑、いわゆる「リンゴ病」の流行が全国で続いている。6月25日に東京都で調査開始以来初めて警報が発令されるなど、当初は首都圏を中心とした流行だったのが、全国に拡大。7月14日の国立感染症研究所の最新報告(対象期間6月29日~7月5日)では、前週に比べて若干患者数が減少したものの、長野、大分では依然警報レベルを超えており、例年に比べて患者数が多い状況は続いている。気になるのは妊婦が感染すると、最悪の場合は流産や死産につながる恐れがあることだ。注意すべきことや問題点は何だろうか。

 リンゴ病は、子どもを中心にみられる流行性の発疹性疾患。原因となるヒトパルボウイルスB19は患者のせきやくしゃみなどのしぶきに含まれ、飛沫(ひまつ)感染すると考えられている。10~20日の潜伏期間を経て、発症すると両頬に鮮明な赤い発疹、続いて体や手、足に網目状の発疹が現れ、通常は1週間ほどで消える。大人が感染した場合、発症しても典型的な発疹はないことも多い。一方で、関節痛、頭痛などを引き起こし、1~2日歩行困難になることもある。一度感染すると生涯、免疫が得られるとされるが、今のところワクチンはなく、発症した場合は対症療法しかない。重症化することはまれだが、溶血性貧血患者や免疫に異常がある場合は重症化の恐れがあるため注意が必要だ。

 リンゴ病には注意したい点が二つある。一つは、特徴的な発疹が現れる7~10日前に微熱や風邪のような症状が約半数にみられるが、他の感染症との区別がつかず診断が事実上困難なことだ。実は、感染力はこの時期が最も高く、特有の発疹が現れるころにはほぼなくなっている。もう一つは、発疹が淡く他の疾患との区別が難しいケースがあり、特に大人の場合は症状が全くないことも多い。こうした特徴が、予防を難しくしている。

この記事は有料記事です。

残り1057文字(全文1817文字)

中村好見

毎日新聞 医療プレミア編集部

なかむら・よしみ 1984年生まれ。2008年に毎日新聞社へ入社、高松支局、和歌山支局を経て15年から医療プレミア編集部。幼少時に家族がくも膜下出血で倒れた経験から、医療とそれを取り巻く社会問題に興味を持つ。関心のあるテーマは公衆衛生、根拠と語りに基づく医療など。twitter:@yoshimi_nakamu