ひたむきに生きて

心臓外科、1万の命預かる

天野篤・順天堂医院院長/順天堂大学教授
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心臓手術をする天野篤・順天堂大学教授(中央)=東京都文京区の順天堂医院で2012年5月21日、丸山博撮影
心臓手術をする天野篤・順天堂大学教授(中央)=東京都文京区の順天堂医院で2012年5月21日、丸山博撮影

 初めて心臓手術を執刀してから今年で27年目、経験した手術数はまもなく7000例です。自分の執刀ではないものの管理面などで接した患者も含めると1万例を超えました。

 振り返れば、本当に多くの患者の皆さんに命を預けられたものだと身震いし、同時に心から感謝しています。中には期待以上の健康を回復された方も多い半面、少ないながらも手術をきっかけに健康状態が悪化した方、亡くなられた方もいます。亡くなられた患者の皆さんには本当に申し訳なく思い、わびて済むことではありませんが、改めておわびと合掌をした上で、このコラムを始めさせていただきたいと思います。

 読者の皆さんは、外科では何でも手術で治そうとしていると考えるかもしれませんが、外科医の仕事は手術だけではありません。患者にとって本当に手術が必要か、予定される手術に耐えられる状態かを専門家として検討することも外科医の仕事です。特に、75歳以上の高齢者では体力が低下するので、心臓手術という「人生の一大事業」に耐えられるかどうかを判断しなければなりません。現在は多くの症例から検証された手術の危険性を…

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天野篤

順天堂医院院長/順天堂大学教授

あまの・あつし 1955年生まれ。埼玉県出身。83年日本大医学部卒。亀田総合病院、新東京病院などを経て、2002年7月から順天堂大学教授、16年4月から順天堂大学医学部付属順天堂医院院長。12年に天皇陛下の心臓バイパス手術を執刀したことで知られる。