
2015年6月16日、米食品医薬品局(FDA)は、加工食品に使用されているトランス脂肪酸を「人間の食べ物に使用するには安全と認められない」と判断し、3年以内の全廃を発表しました。米国人は、長年にわたるトランス脂肪酸との愛と憎しみの戦いの末、ついに決別を宣言したのです。今回は、米国におけるトランス脂肪酸の歴史を振り返りたいと思います。
参考URL:http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm451237.htm
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大西睦子
内科医
おおにし・むつこ 内科医師、米国ボストン在住、医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年4月から13年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に、「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側」(ダイヤモンド社)、「『カロリーゼロ』はかえって太る!」(講談社+α新書)、「健康でいたければ『それ』は食べるな」(朝日新聞出版)。
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