人類史からひもとく糖質制限食

私が糖尿病になったわけ

江部康二・高雄病院理事長
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 今回は、私、江部康二が糖尿病を発症した当時のことや、糖質制限食を始めた経緯をお話しします。日本人の5人に1人が糖尿病患者とその予備軍と言われていますので、多くの人の参考になる内容だと思います。

家族が糖尿病の人は注意

 まず、糖尿病とはどんな病気かを簡単に説明すると、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなっている状態です。血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌不足や、働きの低下で起きるのが2型糖尿病で、糖尿病患者の9割を占めます。遺伝的な素因に、食べ過ぎ、運動不足、肥満、ストレスなどが加わって、多くの人は40代以上で発症します。怖いのは合併症で、長期間高血糖が続くと、網膜症、腎症、神経障害をはじめ、脳卒中、心筋梗塞(こうそく)、狭心症など全身のあらゆる臓器に起こります。一方、1型糖尿病は免疫系の誤作動でインスリンを作る細胞が壊れることが原因で、若いうちに発症することが多いのが特徴です。

 元々、私の父も母も糖尿病でした。父は77歳の時、糖尿病による血流障害のために右太ももを切断手術し、…

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江部康二

高雄病院理事長

えべ・こうじ 1950年生まれ。京都大学医学部卒業。京都大学胸部疾患研究所(現京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学)などを経て、78年より医局長として一般財団法人高雄病院(京都市)に勤務。2000年理事長に就任。内科医、漢方医。糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立したパイオニア。自身も02年に糖尿病であることが発覚し、実践して糖尿病と肥満を克服する。これまで高雄病院などで3000人を超える症例を通じて、糖尿病や肥満、生活習慣病、アレルギーなどに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明し、数々のベストセラーを上梓している。