実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

誤解だらけのB型肝炎ウイルス(1)

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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 B型肝炎ウイルス(以下HBV)の最大の特徴は「死滅しにくく感染力が極めて強い」ということです。どれくらい死滅しにくいかというと、まずアルコールでは死にません。ですから医療器具の消毒はアルコールでは不十分で、特別な「滅菌」をしなくてはなりません。

強力な感染力とタフさを併せもつ

 通常、人に感染するウイルスは体内から放出されると短期間で自然に死滅します。しかしHBVの生命力は桁違いに強く、体外に放出された後も10日程度は生息し続けるという報告があります。つまり、HBV陽性の人が唾を吐いたとして、その唾が乾いた後も10日間もウイルス自体は生きているということになります。

 これだけ感染力が強いわけですから実際にささいなことで感染します。これまで私が診てきた症例を挙げてみ…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト