40代からのアクティブ体づくり講座

骨折して気付く?「静かな病気」骨粗しょう症

萩野浩・鳥取大学教授
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 前回は、骨量の減少と骨質の低下により骨の老化が進むというお話をしました。骨質の低下には男女差がありませんが、骨量の減少は男性に比べ、女性はより早い年齢で進行し始めます。これは女性ホルモン「エストロゲン」と大きな関係があり、この骨量の減少こそ、女性に多い「骨粗しょう症」発症の原因となるのです。

 骨粗しょう症は、骨の強度が低下する疾患です。「しょう」は常用漢字ではない「鬆」という文字を使います。この文字通り、鬆(す)が入ったように骨の中がスカスカの状態になり、骨折しやすくなります。骨強度は骨密度と骨質により決まり、関与する割合は骨密度が7割、骨質が3割です。

 骨質低下の原因は、「マイクロクラック」と呼ばれる目に見えない微小骨折やひびの発生および悪玉架橋の増加です。骨量減少の原因は、骨を壊す「破骨細胞」が古い骨を溶かして壊し(骨吸収)、その骨吸収された部分に、骨を作る「骨芽細胞」が新たに骨を形成(骨形成)する「骨代謝」のバランスが崩れ、骨吸収のスピードに骨形成が追いつかなくなることにあります。骨代謝のバランスが崩れる最大の要因が、バランスを保つ働きをす…

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萩野浩

鳥取大学教授

はぎの・ひろし 1982年鳥取大学医学部卒業。同学部整形外科助手、講師、付属病院リハビリテーション部長などを経て現在、医学部保健学科教授(付属病院リハビリテーション部長兼務)。専門は骨粗しょう症、関節リウマチ、運動器リハビリテーション。特に骨粗しょう症治療の経験が深く、国際骨粗鬆(しょう)症財団(IOF)アジア太平洋地域代表、日本骨粗鬆症学会理事など要職を務める。保健師、看護師、臨床検査技師などを対象に骨粗しょう症診療のコーディネイター役「骨粗鬆症マネージャー」を養成する日本骨粗鬆症学会のレクチャーコースでは講師役も務める。著書に「骨粗鬆症治療薬の選択と使用法―骨折の連鎖を防ぐために」(南江堂)など。