こころと向き合う

危険ドラッグ、治療軽視のツケ

松本俊彦・国立精神・神経医療研究センター部長
  • 文字
  • 印刷

 昨年、私が担当する薬物依存症専門外来は、次々に受診する危険ドラッグ患者でごった返していた。

 危険ドラッグが社会問題化したのは2〜3年前からだが、私は5〜6年前には患者からうわさを聞いていた。当時「合法ハーブ」と呼ばれていたその薬物は、好ましい効果が乏しい代わりに害も少ないという詐欺めいた代物だった。ところがその後、薬物の有害性は年々強まり、最終的には覚醒剤をはるかにしのぐモンスタードラッグに成長してしまった。

 なぜこうした変化が生じたのか。規制の影響は無視できないだろう。危険ドラッグとは、既に規制された薬物…

この記事は有料記事です。

残り624文字(全文881文字)

松本俊彦

国立精神・神経医療研究センター部長

まつもと・としひこ 国立精神・神経医療研究センター病院精神科医師、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長、精神保健指定医、精神保健判定医、精神神経学会精神科専門医・指導医。