医療プレミア特集

あなたは大豆の恩恵を受けている?

西田佐保子・毎日新聞 デジタルメディア局
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 大学が持つ特許や研究成果を活用したり、大学所属の教職員、学生、あるいは大学そのものが設立にかかわったりして、事業化・創業される企業を「大学発ベンチャー」という。2001年に制定された国の「大学発ベンチャー1000社計画」により設立件数は増加。14年には国立大学のベンチャーキャピタルへの出資も可能となるなど、起業を支える態勢づくりも進む。今後、ユニークな知見、技術を持つ「大学発」ならではの企業が、さまざまな分野で活躍することが期待される。シリーズ「大学発ベンチャー探訪」では、中でも近年、増加しているバイオ・ヘルスケア・医療機器関連ベンチャーの中から、注目の企業を紹介する。第1回は、女性ホルモンに似た機能を持つ大豆由来成分「エクオール」の簡易検査サービス「ソイチェック」が話題の名古屋大学発ベンチャー、ヘルスケアシステムズ(名古屋市千種区)を取り上げたい。

 「イソフラボン」という言葉を耳にしたことのある人は多いだろう。大豆をはじめとしたマメ科植物が含むポリフェノールの一種だ。更年期障害の緩和、そして、循環器系疾患や骨粗しょう症、乳がんや前立腺がんのリスクを低下させる効果があるとして注目されている(注)。

 大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は主に、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステインの3種に分類できる。このうちダイゼインは摂取後、腸内細菌により「エクオール」に変換され、体内に吸収される。エクオールは変換前のダイゼインに比べ、イソフラボンが持つさまざまな作用がより効果的に発揮されるメリットがあるのだが、問題は誰もがエクオールを腸内で作れるわけではないことだ。ダイゼインをエクオールに変える「エクオー…

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西田佐保子

毎日新聞 デジタルメディア局

にしだ・さほこ 1974年東京生まれ。 2014年11月、デジタルメディア局に配属。 興味のあるテーマ:認知症、予防医療、ターミナルケア。