実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

誤解だらけのB型肝炎ウイルス(5)

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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「HBV感染者は受け入れない」と言う介護施設

 前々回紹介した症例2の女性のB型肝炎ウイルス(以下HBV)の感染ルートとして、当初私は勤務先の介護施設での院内感染を疑ったため、この女性に職場に相談するように言いました。その結果、職場から返ってきた回答は、なんと「当施設では入居時にHBVに感染している者(介護を受ける方)はお断りしているから院内感染は心配無用」というものだったのです。

 私はこれを聞いたとき、驚きを越えて憤りを感じました。日本にはHBV陽性者が100万人以上いると試算…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト