実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

誤解だらけのB型肝炎ウイルス(6)

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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 これまでみてきたようにB型肝炎ウイルス(以下HBV)は、血液のみならず、唾液や汗、尿などにも含まれており、成人の場合は性交渉で簡単にうつることがあります。では、全員が検査をしてワクチンをうてばいいではないか、という意見が出てくると思います。

最善の対策はワクチンの全員接種

 これはまったくその通りで、国民全員にワクチンを接種すればHBVの問題の大部分が解決します。日本では来年(2016年)からHBVがついに定期接種に組み入れられることになりそうで、これはもちろん歓迎すべきことです(注1)。しかし、おそらく対象は新生児に限られると思われます。ちなみに、HBVのワクチンは欧米やオセアニアでは生後1時間以内に全新生児に接種します。つまり、それだけ重要で安全なワクチンということです。

 成人にも可能な限り大勢に接種すれば前回まで紹介してきたような「悲劇」は防げます。では、みんなでワク…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト