無難に生きる方法論

にわかに信じ難い「糞便移植」

石蔵文信・大阪大学招へい教授
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 食事中の方には申し訳ないが、今回のテーマは「糞便(ふんべん)移植」である。最初この治療法を聞いた時には何かの間違いかと思ったのだが近年、潰瘍性大腸炎など腸の病気を研究する医師の間で熱い期待が寄せられている。いったいどのような方法か? 順天堂大学がウェブサイトで紹介している情報を参考に、概要を説明する。

 腸内細菌の乱れが原因と思われる腸炎などの患者さんに健康な人からもらった糞便を処理して、内視鏡やチューブで腸内に移植して、腸内細菌叢(さいきんそう=腸内に常在する細菌の分布状態)を健康に戻すという治療法である。

 順天堂大学では20歳以上の2親等以内の家族もしくは配偶者から糞便を提供してもらっているようだ。その理由が倫理的な問題なのか医学的な問題なのか、私にはよくわからない。医学的問題はなくとも、赤の他人の糞便をもらうより、同じような生活をしている家族からもらう方が受け入れやすいのかもしれない。欧米ではすでに行われており、有効性も報告されている。もちろん少し抵抗はあるだろうが、副作用があっても下痢や腹痛な…

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石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。