40代からのアクティブ体づくり講座

骨粗しょう症の予防と治療に効果的な「ロコトレ」

萩野浩・鳥取大学教授
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 「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版」によると、日本人の骨粗しょう症患者は約1280万人(男性300万人、女性980万人)に上るとされています。国民の10人に1人という非常にポピュラーな病気だと言えるでしょう。前回は、自覚症状が起こりにくいので、特に女性は閉経後に一度、自分の骨の状態を測定して確認することが大切だとお話ししました。今回は、骨粗しょう症の治療法および予防法をご紹介します。

 骨粗しょう症と診断された場合、骨折を防ぐため、主に薬物治療を行います。最もポピュラーな治療薬は、破骨細胞が古い骨を溶かして壊す「骨吸収」を抑制し、骨形成を促して骨密度を増やす「ビスホスホネート」で、これに骨の形成を促進したり、体内のカルシウム量を増やしたりする「活性型ビタミンD3」を併用することが多くなっています。ただし、ビスホスホネートは、妊娠が可能な年齢の患者さんの場合、使用に慎重な判断が必要です。また、治療には日常の食生活や運動も大切になってきます。これは予防においても同様です。

 骨粗しょう症の治療および予防のために積極的に取るべき栄養素は、カルシウムとビタミンDです。特に骨の主成分であるカルシウムの摂取は必要不可欠です。日本人のカルシウムの推奨摂取量(注1)は、15歳以上の男性が650~800mg/日(年齢により異なる)、15歳以上の女性が650mg/日ですが、20歳以上の男女の平均カルシウム摂取量(注2)は、498mg/日と推奨量よりも大幅に不足している状態です。

 下記の表を参考にして、毎日の食事にあと2単位の食品を追加してください。一つの食品につき1単位(カルシウム200mg)ですが、違う食品を半分ずつにして合わせて1単位でも構いません。1日の合計が2単位になるようにしましょう。なお、ビタミンDの多い食品には、イワシ、カツオ、鶏卵などがあります。

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萩野浩

鳥取大学教授

はぎの・ひろし 1982年鳥取大学医学部卒業。同学部整形外科助手、講師、付属病院リハビリテーション部長などを経て現在、医学部保健学科教授(付属病院リハビリテーション部長兼務)。専門は骨粗しょう症、関節リウマチ、運動器リハビリテーション。特に骨粗しょう症治療の経験が深く、国際骨粗鬆(しょう)症財団(IOF)アジア太平洋地域代表、日本骨粗鬆症学会理事など要職を務める。保健師、看護師、臨床検査技師などを対象に骨粗しょう症診療のコーディネイター役「骨粗鬆症マネージャー」を養成する日本骨粗鬆症学会のレクチャーコースでは講師役も務める。著書に「骨粗鬆症治療薬の選択と使用法―骨折の連鎖を防ぐために」(南江堂)など。