
「天高く馬肥ゆる秋」という言葉もあるように、10月は1年で最も過ごしやすい季節といわれています。しかし、近年は気温の高低が著しく、1日の中や日ごとの気温の差(寒暖差)によって不調を訴える人が増えており、体調管理に注意が必要です。
じんましんやアトピーの症状も出やすく
10月は、日中の最高気温が25度を超える日があるかと思えば、次の日には10度近く下がります。1日の中で、最高気温と最低気温の差が7度以上あることも珍しくありません。このように寒暖差が著しいと、さまざまな不調が起こりやすくなります。
寒暖差によって起こる代表的なものは鼻の症状です。鼻の粘膜が急激に冷たい空気に冷やされると、その刺激によって鼻水が出たり、鼻の粘膜が拡張して鼻づまりが起こったりします。寒暖差によって起こる鼻の症状は、専門的には「血管運動性の鼻炎」と呼ばれます。花粉やダニ、ハウスダストなどによって起こるアレルギー性鼻炎とはメカニズムが異なりますが、わかりやすく「寒暖差アレルギー」と呼ばれています。
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野木病院副院長/筑波大学付属病院臨床教授
かとう・しろう 1982年獨協医科大学卒後、同大第1内科(現心臓・血管内科)入局。88年、同大第1内科大学院卒。第1内科講師、宇都宮東病院副院長などを経て、09年野木病院副院長、筑波大学非常勤講師。同年、筑波大学付属病院総合診療科に漢方外来開設。10年筑波大学付属病院臨床教授。筑波大学付属病院で漢方外来に従事するととともに、主に学生、研修医を対象に漢方の教育活動を行っている。編著に「臨床力をアップする漢方ー西洋医学と東洋医学のW専門医が指南!」(中山書店)。医学博士、日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医など。
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