無難に生きる方法論

肥満患者の減量は奇跡の難事業

石蔵文信・大阪大学招へい教授
  • 文字
  • 印刷

 肥満とは脂肪組織が過剰に蓄積した状態で、身長と体重から計算できる体格指数(英語のBody Mass Indexを略してBMI)で判定する。BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割って求めることができる。健康診断で目にすることのある値だ。電卓でも簡単に計算できるが、それさえ面倒という人はネット上に計算できるサイトがたくさんあるので、一度やってみるとよい。

 BMIが18.5未満は低体重、18.5以上25未満が普通体重、25以上30未満が肥満1度、30以上35未満が肥満2度。まあ、ここまではまだ許せる範囲であろう。35以上40未満が肥満3度、40以上が肥満4度となり、2011年に11年ぶりに改訂された日本肥満学会の新しい肥満症の診断基準では、BMI35以上は「高度肥満」と定義されて診断や治療の対象と位置づけられた。

 肥満に関連する疾患は糖尿病・脂質代謝異常・高血圧・痛風・心筋梗塞(こうそく)・狭心症・脳梗塞:脳血栓・変形性関節症・腰椎(ようつい)症など多岐にわたり、乳がん・胆のうがん・大腸がん・子宮体がんなども肥満に関連すると言われている。

この記事は有料記事です。

残り1388文字(全文1864文字)

石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。