登山外来の現場から

登り以上に要注意! 下山中のけが

大城和恵・北海道大野記念病院医師/国際山岳医
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足の疲労は下山でやってくる!

 三浦雄一郎さんと言えば、皆さんご存じの通り、80歳でエベレスト登頂を成し遂げ、世界を驚かせた冒険家です。さて、その三浦雄一郎さんのカラダは、人並みはずれたスーパーマンなのでしょうか?

 三浦さんのエベレスト登頂の際、最も危機的場面だったと言えるのは、登頂後、下山を開始してからやってきました。もちろん、下山中も酸素を予定通り使用していました。ですが足に力が入らず、5分歩くと動けなくなる。そういったことを何度か繰り返し、それでも足を右、左、右、左、と一歩ずつ踏み出して、一般的なエベレスト登山者の倍以上の時間をかけて、前進基地に戻ってきました。

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大城和恵

北海道大野記念病院医師/国際山岳医

おおしろ・かずえ 1967年長野県生まれ。医学博士、山岳医療修士。日本大学医学部卒業後、循環器内科医として約10年間の付属病院勤務を経て、「山での遭難者を助けたい」という思いを募らせて本格的に山岳医療の勉強を始める。98年、アフリカ大陸最高峰キリマンジャロ(5895m)に登頂。心臓血管センター大野病院(現・北海道大野記念病院)を拠点に診療を続けるが、09年に退職し渡英。1年をかけて日本人として初めて「UIAA(国際山岳連盟)/ICAR(国際山岳救助協議会)/ISMM(国際登山医学会)認定国際山岳医」の資格を取得した。現在は同病院の循環器内科・内科および登山外来で勤務するかたわら、北海道警察山岳遭難救助隊のアドバイザーも務める。遭難実態を知り、現在遭難しないための医療情報、心臓死の予防、高所登山のアドバイス、ファーストエイド技術の講習会主宰など、山と登山に関する多方面で活躍する。13年には三浦雄一郎さんのエベレスト遠征隊にチームドクターとして参加した。自身もマッキンリー、マッターホルン、マナスル(世界第8位)登頂など海外を含む豊富な登山歴を持つ。