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「あなたに最適の治療法は…」〜がん治療の全体像を知ろう

竹本和代・医療ライター三嶋秀行・愛知医科大学教授

手術?抗がん剤?放射線?どの治療法がいいの!?

 がんにはいろいろな治療法がありますが、全体像がつかめません。ガイドラインや標準治療という言葉も聞きますが、どんなものかわかりません。治療について基本的なことを教えてください。(42歳、女性)

3大療法をまず理解しましょう

 がんの治療法といえば、まず「手術(外科療法)」が思い浮かぶでしょう。続いて「抗がん剤治療(化学療法)」、「放射線治療」といったところでしょうか。この3種類はがん治療の柱で、3大療法と呼ばれます。

 3大療法のうち、手術と放射線治療は病巣を直接ねらう「局所療法」です。局所療法には、胃がんや大腸がんの内視鏡治療や、肝がんなどで行われている、高周波電流でがんを焼くラジオ波焼灼(しょうしゃく)術なども含まれます。これらに対し、抗がん剤治療は、全身を巡る血液やリンパ液に抗がん剤をのせて病巣に働きかけるもので、「全身療法」といいます。

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医療ライター

たけもと・かずよ 共立女子大学文芸学部卒。PR会社勤務を経て1990年フリーランスライターに。医療・ヘルスケア領域の話題を中心に、主に雑誌、医療系ムックで取材・執筆活動を行う。興味のあるテーマはがん医療、QOL疾患、目・耳などの感覚器障害、東洋医学。

愛知医科大学教授

みしま・ひでゆき 1984年大阪大学卒業。同第2外科入局。箕面市立病院、国立大阪病院(現・国立病院機構大阪医療センター)外科医長、外来化学療法室長、臨床腫瘍科長などを経て、2012年に愛知医科大学教授。現在、同大学病院臨床腫瘍センター、臨床研究支援センター部長。専門は消化器がんの化学療法と診療相談で、新薬の国際共同治験や多施設共同臨床研究への参加実績も多い。また市民向けの講演活動も多数行っており、大阪弁でのわかりやすい語り口にはファンも多い。