
皆さんこんにちは、消化器外科医の小高雅人です。今回のテーマは「がんにおける標準治療と最新治療について」です。まず、なぜこの問題を取り上げたか、からお話ししたいと思います。
「もっと最新の治療を!」と言われることがありますが……
私は、大腸がんや胃がんといった消化器がんを専門に診療しています。治療について、患者さんに「○○さんの病状は○○という状況なので、『標準治療』としては、AやBになりますね」と説明することが日常的にあります。すると、患者さんから「もっと最新の治療は無いのですか?」と問われることを何度か経験しました。みなさんはどう思われますか? 「私もそう思う」と考えた方もいらっしゃるかもしれません。おそらく、「標準」治療という名称から、その意味を誤解されているのではないかと思います。
実は、現時点で一番オススメの治療法が過去の多くの患者さんの経験によりすでに判明しており、それを標準治療という名称で呼んでいます。ですから現在の医療では、標準治療が決まっている状況では、治療方針に困ることはあまりありません。ただし標準治療が複数ある場合もあり、その際は、患者さんの状況に合わせて、患者さんの希望も含めて一緒に相談しながら、決めていくこともあります。
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