孤島の小さな診療所から

いただきものに込められた心

太田龍一・沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長
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ヤギは沖縄のポピュラーな高級食材です。こちらの言葉で「ヒージャー」と言います。昔からお祝い事には欠かせない滋養強壮のスタミナ料理として食べられており、南大東島では新築祝い、中学校の卒業式、お正月等にヤギ汁やヤギ刺しにして頂きます。ラム肉とは違うパンチの効いた独特のヒージャー臭があります=筆者提供
ヤギは沖縄のポピュラーな高級食材です。こちらの言葉で「ヒージャー」と言います。昔からお祝い事には欠かせない滋養強壮のスタミナ料理として食べられており、南大東島では新築祝い、中学校の卒業式、お正月等にヤギ汁やヤギ刺しにして頂きます。ラム肉とは違うパンチの効いた独特のヒージャー臭があります=筆者提供

ドアを開けたらそこにいたのは……

 ある休日の昼過ぎ。

 突然、診療所の隣にある医師住宅のドアをノックし、「先生いますか?」の一声。

 時々、時間外診療を求める電話を役場にかけず、直接私が住んでいる診療所医師住宅を訪ねて来る人はいます。この時もそんな人が来たのかな、と思いつつ、玄関に出てみると、そこには大きな段ボールにブロッコリーやナーベーラー(ヘチマ)などたくさんの野菜を入れておばあが一人立っていました。

 「先生もあがる(召し上がる)かなと思って持ってきたよ」とのこと。

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太田龍一

沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長

おおた・りゅういち 大阪府出身。2004年大阪市立大学医学部入学。同大学卒業後、10年から沖縄県立中部病院プライマリケアコースで研修。13年から現職。人口約1400人の南大東島で唯一の医師として、島民の日常的な健康管理から救急医療までを一手に担う。趣味は読書とランニング。毎年秋に開かれる島の運動会、駅伝大会への参加を目指し、鋭意トレーニング中。