孤島の小さな診療所から

うまい泡盛、でも飲み過ぎは重大リスク

太田龍一・沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長
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ヤギは沖縄のポピュラーな高級食材です。こちらの言葉で「ヒージャー」と言います。昔からお祝い事には欠かせない滋養強壮のスタミナ料理として食べられており、南大東島では新築祝い、中学校の卒業式、お正月等にヤギ汁やヤギ刺しにして頂きます。ラム肉とは違うパンチの効いた独特のヒージャー臭があります=筆者提供
ヤギは沖縄のポピュラーな高級食材です。こちらの言葉で「ヒージャー」と言います。昔からお祝い事には欠かせない滋養強壮のスタミナ料理として食べられており、南大東島では新築祝い、中学校の卒業式、お正月等にヤギ汁やヤギ刺しにして頂きます。ラム肉とは違うパンチの効いた独特のヒージャー臭があります=筆者提供

 日本中どこでも問題になっていると思いますが、アルコールは南大東島でも大きな問題です。何が問題かというと、危険な事故に直結するからです。島でも自動車の飲酒運転で自損事故を起こしそのまま亡くなった方や、海に落ちてしまった方などさまざまな不幸な事例があります。

未明にやってくる泥酔患者

 診療所医師として大きな問題だと感じているのは、飲酒後の転倒事故です。大抵、未明の午前1時ごろに、「人が血だらけになって倒れている」という電話がかかってくることから始まります。慌てて診療所に行って待っていると、頭から血を流して泥酔している患者さんが付き添いの人と一緒に現れます。多量のアルコール摂取は痛みを和らげ、病気やけがの他の症状を弱めてしまうため、時として大きな病気を隠してしまうことがあります。しかし患者さんに話を聞いても、ろれつがまわらず正確な病歴を取ることができません。さらに付き添いの方も何がおこったのかよくわかっていないことが多いのです。

 さらに重大なことは、南大東診療所の医療従事者は医師、看護師の2人しかいないにもかかわらず、このよう…

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太田龍一

沖縄県立南部医療センター付属南大東診療所長

おおた・りゅういち 大阪府出身。2004年大阪市立大学医学部入学。同大学卒業後、10年から沖縄県立中部病院プライマリケアコースで研修。13年から現職。人口約1400人の南大東島で唯一の医師として、島民の日常的な健康管理から救急医療までを一手に担う。趣味は読書とランニング。毎年秋に開かれる島の運動会、駅伝大会への参加を目指し、鋭意トレーニング中。