実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

本当は複雑な「風邪」とコーセーブッシツ

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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知っているようで、ほとんど知らない風邪の秘密【1】

 随分前から「日本の医者は抗生物質を使いすぎる。軽度な風邪にも処方するのはおかしい」と言われています。これは確かに事実ではあります。しかし「風邪」に「抗生物質」は是か非か、と単純に言い切れるわけではありません。

 たかが風邪ごときで医療機関にかからない、という「信念」を持っている人がいる一方で、風邪かなと思ったらその時点でかかりつけ医に相談する、という人もいます。我々医師の立場からみたときも、わざわざ医療機関に来なくても家で休んでいればよかったのに……と思う症例から、直ちに入院を勧めなければならない場合までさまざまです。たかが風邪、されど風邪、なのです。

 今回から12週にわたり「風邪」を取り上げたいと思います。風邪については予防にしても治療についても間…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト