医療プレミア特集

がんと共に働くということ 治療と仕事両立の問題点

西田佐保子・毎日新聞 デジタルメディア局
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 男性の62%、女性の46%が一生涯に患う可能性があると言われているがん。がん患者の3人に1人、全体の30.8%(注1)が20~64歳の「働き世代」で、がん治療と仕事の両立は大きな問題の一つとなっています。11月14日に東京都千代田区にある三井記念病院で、同病院の顧問で社会保険労務士の近藤明美さんが講師を務める市民公開講座「がんとともに働くということ~職場の誰かががんになったら~」が開催されました。そこで紹介された意識調査の結果から、がん患者が治療と仕事を両立するに当たり、どのような困難をかかえているのかが明らかになりました。

 新たにがんと診断された人の数は、2008年に74万9767人、11年には85万1537人、そして15年には98万2100人になると予測されています。現在、働くがん患者は約32万5000人(注2)で、これは東京都中野区の人口とほぼ同数です。

 東京都でがんの経験がある人を対象に行った就労についての意識調査の結果(注3)、「仕事をしたい・続けたい(したい)」と回答したのが80.5%と、10人に8人が働くことを望んでいる(いた)ことがわかりました。働く理由としては、「生計を維持するため」(72.5%)、「働くことが自身の生きがいであるため」(57.4%)、「がんの治療代を補うため」(44.5%)と、多くの人が経済的な理由を挙げています。

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西田佐保子

毎日新聞 デジタルメディア局

にしだ・さほこ 1974年東京生まれ。 2014年11月、デジタルメディア局に配属。 興味のあるテーマ:認知症、予防医療、ターミナルケア。