人類史からひもとく糖質制限食

イヌイットに心筋梗塞が少なかったのはなぜ?

江部康二・高雄病院理事長
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イヌイットと糖質制限食【2】

 イヌイットが伝統的な食生活をしているころは、心筋梗塞(こうそく)が極めて少なかったというのは割と有名な話で、マスコミの報道でも時々取り上げられています。今回は、その元になった研究の紹介です。

イヌイットには心筋梗塞や糖尿病が少なかった

 1950年から74年までのデンマーク領グリーンランドのウパナビック病院の記録をまとめて、デンマーク・オーデンセ大学(現南デンマーク大学)臨床遺伝学研究所の研究者クロマンらが80年に報告しました。グリーンランドのイヌイットとデンマークの白人を比較検討したものです。

 それによると、グリーンランドのイヌイットにおいては、心筋梗塞▽糖尿病▽血液中の甲状腺ホルモンが増え…

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江部康二

高雄病院理事長

えべ・こうじ 1950年生まれ。京都大学医学部卒業。京都大学胸部疾患研究所(現京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学)などを経て、78年より医局長として一般財団法人高雄病院(京都市)に勤務。2000年理事長に就任。内科医、漢方医。糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立したパイオニア。自身も02年に糖尿病であることが発覚し、実践して糖尿病と肥満を克服する。これまで高雄病院などで3000人を超える症例を通じて、糖尿病や肥満、生活習慣病、アレルギーなどに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明し、数々のベストセラーを上梓している。