実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

ワシントンの命を1日で奪った「死に至る風邪」

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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知っているようで、ほとんど知らない風邪の秘密【4】

 前回は、患者さんからみると医師は抗菌薬を気軽に処方しているようにみえるかもしれないが、実際は菌の種類と重症度を考慮して選択していること、軽症であれば細菌性の風邪であっても薬を使わなくてもいいことなどについて述べました。

アメリカ建国の父は「風邪」で死んだ

 今回は風邪の最重症型で、短時間で死に至ることもある「急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)」についてお話ししたいと思います。そんな病名聞いたことがない、興味が持てない、という人の方が多いでしょう。しかし、初代アメリカ大統領ジョージ・ワシントンを急死させた風邪と言われればどうでしょうか。

 1799年12月13日、高熱と悪寒で目覚めたワシントンは親友の医師に診療を頼みます。しかし必死の治…

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト