人類史からひもとく糖質制限食

糖質制限食でがんは予防できるか?

江部康二・高雄病院理事長
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イヌイットと糖質制限食【3】

 スーパー糖質制限食に近い伝統的食生活を長期間続けてきたイヌイットから、糖質制限食の効果を考えるシリーズの最終回は、「イヌイットとがん」についてです。

 伝統的食生活(1855年の調査)を保っていたころのイヌイットの3大栄養素摂取比率は、「たんぱく質:47.1%、炭水化物:7.4%、脂質:45.5%」でした。それが1976年の調査では、「たんぱく質:23%、炭水化物:38%、脂質:39%」になります。約100年の間に、炭水化物の摂取比率がかなり上がったことが分かります。このような食生活の変化は、イヌイットの健康、特にがんについてどのような変化をもたらしたのでしょうか。

 このテーマを調べていると、「ランセット・オンコロジー」2008年9月号に掲載された信頼度の高い論文…

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江部康二

高雄病院理事長

えべ・こうじ 1950年生まれ。京都大学医学部卒業。京都大学胸部疾患研究所(現京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学)などを経て、78年より医局長として一般財団法人高雄病院(京都市)に勤務。2000年理事長に就任。内科医、漢方医。糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立したパイオニア。自身も02年に糖尿病であることが発覚し、実践して糖尿病と肥満を克服する。これまで高雄病院などで3000人を超える症例を通じて、糖尿病や肥満、生活習慣病、アレルギーなどに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明し、数々のベストセラーを上梓している。